【カナダ のいろいろ】:中国によるカナダでの海外出産広告

中国で、カナダでの海外出産を宣伝し、奨励する広告が広がっているそうだ。

この広告たちは、女性たちがカナダで出産する場合に、産まれた子にカナダの市民権が付与されることを集中的に宣伝している。

中国本土の女性たちをターゲットにしているとあるオンライン広告には、「カナダで休暇を過ごし、子供を産もう」という露骨な内容が含まれている。

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また、他の広告では、「アメリカがあなたのビザを拒絶した?問題ありません。実のところ、カナダがより良いのです」という文言が含まれていた。

このような広告は、カナダで出産する場合に出生児に授けられるカナダの市民権は素晴らしい特権だとし、市民権を持つ場合、その子供は無料教育を受けることができるだけでなく、大学の登録金が安くなり、学資金の貸出もたやすく受け取れることを強調している。

このような内容は、自由党所属の州議員(MLA)であるジャーズ・ジョハル議員の提議により、ポストメディアも事実であると確認している。

現行のカナダ法によると、カナダで出生した子供には、自動的に市民権が付与される。

該当する広告は、女性たちに「ワンストップショッピング」を提供するブローカーたちによって掲載されているのだが、彼らは海外出産を求める女性たちに交通や住居、食事、各種契約、医療施設の予約、病院への入院に至るまで、すべてのサービスを提供すると宣伝している。

しかし、このような広告には、一般的にブローカーたちが受け取ることになる手数料は言及されない。

一部の広告では、海外出産を通して子供が市民権を受け取れば、その子供が成長した後に、親を家族招待によってカナダに連れてこられるということまで言及している。

あるオンライン広告に「カナダで引退したいが、要求条件を満たせない?それなら、カナダで出産を。その子が18歳になれば、親を招待できます」と説明されている。

また、カナダの長点を羅列していて、具体的にはカナダの市民権があれば200カ国にビザなしで入国でき、また、各種社会保障のメリットがある点も強調している。

ジョハル議員は、ブローカーたちが特に、カナダ市民権を取得する場合、アメリカへの移住も容易になるという点も宣伝していると追加した。

一部の広告では、子供の教育に関して熱心な親へ海外出産が理想的であると宣伝し、その間、中国で長きにわたり施行されてきた一家一児政策に言及し、複数の子供を求める場合、カナダで出産すれば良いとアドバイスさえしていた。

リッチモンド – クイーンズボロ地域区所属の州議員であるジョハル議員は、地域住民からは、このような海外出産を禁止すべきだという世論が多いと明かした。

実際、エイドリアン・ディクス保健省長官もまた、該当問題を深刻に受け止め、連邦政府に処置を求めている状態である。

ポストメディアが最近発表した記事によると、2017–18年の間、BC州で外国人女性の出産によって産まれた子供の数は837人に達するとされ、またこれは24%も増加した数値であった。

ジョハル議員は「海外出産は市民権の意味を失わせる。合法的な手続きを踏み、カナダに来て苦労して市民権を取得した人たちにとって、海外出産は極めて不適切な行為であると思われる」と言及した。

彼は「カナダの市民権を得るということは、この国のために寄与し、努めるという意味が含まれる。しかし、そんな姿勢もなく、ただ裕福な人たちがカナダへのパスポートを得るために子を産むことは、カナダの価値に相応しない」と強調した。

ディクス長官は、多くの外国人女性が海外出産のためにカナダへ来ている事実を知り、これに対して憂慮があると述べ、「断固として海外出産を支持しない」との意思を表明した。

しかし彼は、市民権に関する問題は州政府の管轄ではなく、連邦政府の権限に当たるとし、連邦政府の処置を待つしかないと言及した。

 

 

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